りになってしまう

 テレビの規制も、よく言われる問題だ。個人のSNSもどこで誰が焚き付けるのか、すぐに炎上してしまう時代である。より耳目に触れるテレビならなおさらだし、スポンサーのお金で成り立っている以上、どうしても慎重になる。「攻めた」番組はなくなり、生活情報番組やクイズ番組ばかりになってしまう入媽媽會

 ただこれも、個人的にはよく分からない。何しろ今のデータがないし、僕は規制がゆるかった頃のテレビ番組を熱心に見ていた世代である。

 「とんねるずの生放送でのお葬式ドッキリは今では絶対にできない」などと言われるが、それが許されて大笑いできた頃の記憶はいまだに鮮明で「そうか、今はそんなものなのか」と、どうもピンと来ない。フィクションの世界を覗いているようで、現在のことなのに現実感がない收毛孔

 僕の少年期は80年代後半から90年代の初頭にかけてである。一番テレビを見ていた時期だし、「テレビの黄金時代」と言う人もいる。バブル期でお金もあったのだろうし、規制もゆるかった。「今と比べて」などとは言わないが、面白い番組も多かった。

 だが、規制という概念だと、もっと前の方がめちゃくちゃだったのではないか。物心が付くかどうかの頃に、とんでもないテレビ番組を見たのだ。

 あれは僕が4歳か5歳の頃である。年末の情報系特別番組を家族で見ていた。もちろんその頃の僕は「テレビ」というものの存在を、きちんと分かってはいなかった。「何か映って何かしゃべっているもの」くらいだった。

 番組内の1コーナーで、怪しげな占い師が4人ほど登場し、「翌年にこのようなことが起こるかどうか」という質問に〇か×の札を上げて答えていた。質問は「日本の株価は大きく上がる」「歌手の〇〇〇と女優の●●●は結婚する」といったものだ。

 実は質問の内容は2つの例外を除いてまったく覚えていない。覚えている2つから「こんな感じかな」と、株価や芸能人の結婚の例を作っただけである。逆に言えば、覚えている2つは、今でもはっきりと覚えている靈恩教會